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近露王子の家
 
所在地  和歌山県西牟婁郡近露
建築規模 木造2階建て
建築面積  94.40㎡(28.55坪)
延床面積 128.85㎡(38.97坪) 
竣工年  2003年
写真   大島勝宏 
施工   ヤマト建設
 

敷地は熊野参詣道中最も早く設けられた王子の一つ、近露王子を見下ろす高台に位置し、四方は緑豊かな山々に囲まれている。国内でもとりわけ降水量の多い地域のひとつであるこの地では、時に想像を超えた風雨が猛威を振るい、自然が持つ力の大きさを我々にしらしめると共に、人間という存在の小ささを再認識させる。その雄大にして時に厳かな自然をうけとめるため、シェルターは建築の原型とも思えるような極めて単純化された形態であることが重要であろう。
寝室と和室の上部に背骨となる木造トラスを架け、山々の稜線に馴染むようシンプルな切妻屋根で包み込む。その単純な操作により出来上がった空間はシンプルではあるが、多様な環境の変化におおらかに対応しうる。柱のない居間は建具を開閉させることにより、半屋外空間となる。デッキと一体となった居間はむしろ、屋外空間の一部と呼んでもよいかもしれない。奇しくも軸を熊野本宮に向ける木造トラスは光を導き入れ、風が通り抜ける。
第2の人生をこの土地で自然と一体となって暮らしたい。そんな夫婦のための住まいである。
(吉村篤一、桑原年弘)

建築環境研究所担当作品



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