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上賀茂の家
 
所在地  京都市北区上賀茂
建築規模 木造2階建て 一部RC造
建築面積 172.29㎡(52.11坪)
延床面積 257.18㎡(77.79坪)
竣工年  2004年
写真   新建築社、大島勝宏
施工   ツキデ工務店
 

この住宅では中庭を中心として空間構成がなされており、周辺環境をゆるやかにとり入れながら、日常生活の場として四季の変化を感じとることができるような住まいとなっている。
アプローチ時の目線の先にはそれぞれ、アイストップとして小さな庭や緑が挿入され、そのことにより進むごとにシーンが展開されていく。アプローチの小庭、ポーチからの格子を通して見る中庭、玄関コートの坪庭、廊下からは中庭を通して外部化された内部空間を眺めつつ、リビングに入ると和室の奥にも坪庭が存在し、ダイニングの窓からは隣家の緑が借景となっている。ここで一連の空間の連鎖は開放された中庭と出合うことによりクライマックスを迎えることになる。この中庭は完全な“ロ”の字型ではなく、一辺が斜めになっていてひとつの頂点が切れて外部につながっていることによって、実際よりも広く感じ、かつ開放的でもある。庭の周りに諸室が配置され、庭も含め、全体として大きな1室空間となる。個室は吹抜を介してリビング空間と一体となることで、常に家族の気配を感じとることができると同時に、四季折々の自然のうつろいがどの室からも感じることができる。2階ではもう一方の頂点も切れて、その方向には賀茂川を望むことができる。プライバシーのある中庭であると同時に、外部とのつながりをも意識できるよう配慮した。つまり、眺望の良いところは部分的に外に開き、そうでない部分を囲って内側にプライバシーのある外部空間を設けつつ、建築的シークエンスを挿入するというのが、この住宅の基本的な考え方である。西洋のパティオや中国の四合院のような、完結した中庭ではなく、この敷地環境においては、こうしたさまざまな要素の複合性による構成が相応しいと考えた結果である。なお、この地域は冬季は気温が相当低くなることもあり、OMソーラーを採用し、極寒期も快適に過ごせるようになっている。また、車椅子で行動されるご主人のための配慮を随所におこなっている。
(新建築解説文:吉村篤一+桑原年弘)

建築環境研究所担当作品



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